カリキュラム

京都看護大学では、4年間を通じて、「基礎科目」「専門基礎科目」「専門科目」「研究科目」の達成と、学生自らが選択する看護実践や教育、研究などにより、職業選択の場で応用可能な能力を育成しています。
カリキュラムポリシーPDF (303KB)
カリキュラムPDF (956KB)
カリキュラムの方向性
- 基礎科目
主体的学修の基礎・導入として、「基礎ゼミ1」、「基礎ゼミ2」を配置。「情報リテラシー」、「暮らしの中の統計処理」ではデータ処理やその解釈、表現方法について学修します。
- 専門基礎科目
看護の対象である人間の「生命」「身体」について生命体の構成要素から人体の構造機能、健康の成り立ちまでを理解します。看護専門職者としての人々の生命の尊厳と人権を擁護するための基盤をつくります。
- 専門科目
看護の基盤となる看護の概念、看護技術を学びます。臨地実習では病院を訪問し療養環境、患者の生活と日常生活援助のリアリティに触れる見学実習を実施します。

生活行動援助論演習Ⅰ
看護の対象となる人々の生活行動を援助する基本技術を学修します。学生自身が「患者」・「看護師」・「観察者」の役割を担い、ひとつひとつの技術について学生同士が科学的根拠を踏まえてディスカッションしながら授業を進めていきます。人間の基本的な生活行動である「動く」「眠る」「入浴する」「着替える」「食べる」「排泄する」に関連する基本技術を実践できることを学修目標としています。

看護学部 看護学科 2回生
大阪府・芦間高等学校 出身
小夏 百々花

カリキュラムの方向性
- 基礎科目
「クリティカルシンキング」では、科学的思考、論理性、批判的思考と分析力を養います。また、相互理解のコミュニケーションツールである言語として、英語・中国語を選択して学びます。
- 専門基礎科目
ケアリングを可能にするコミュニケーション力育成の基礎として、模擬患者を用いた演習を行い、豊かなコミュニケーション能力、人への“いつくしみ”の素地を養います。
- 専門科目
小児、母性、成人、老年、精神、在宅看護など、座学と演習を通して専門性を深めます。臨地実習では患者とのコミュニケーション、基本的看護技術の試行を通して、初めての対人関係構築について体験、学修します。

生活行動援助論演習Ⅱ
診療の補助にかかわる看護の基本技術について学修します。診療(治療・処置・検査)により影響を受ける患者の生活行動を、安全、安楽、自立(自律)の視点から理解し、必要な援助を修得します。科学的根拠と倫理的配慮にもとづいた援助を、思考・試行することを大切にしながら進めていきます。セルフケア支援論演習
慢性の病をもって生きる人の事例の看護過程を展開し、療養上の問題の解決に必要な論理的思考力を養います。また、慢性の病をもって生きる人とその家族の療養生活・セルフケアを支援していくために必要とされる健康教育などの基礎的な看護技術について学びます。さらに、看護実践にむけて、対象の機能障害や生活背景等に合わせて応用できる思考力を養います。

看護学部 看護学科 3回生
滋賀県・玉川高等学校 出身
江畑 未玖

カリキュラムの方向性
- 専門科目
領域別の実習を行い、臨地で多くのリアリティに触れ、看護の展開について学びます。実習の前期と後期の移行期には「ケアリングコミュニケーション」、「看護リフレクション」を配置し、臨地での経験をもとに内省を行うとともに、後半の実習へと生かせるように配慮しています。
- 研究科目
3年次領域別実習直後から研究プロセスの基礎を学修します。そうすることで研究課題の焦点化を行い、4年次から本格的に始まる研究活動に早期から取り組めるようにしています。

領域別実習(3年次通年)
臨地実習は1年次から4年次まで段階的に行われ、学生は発展的に学ぶことができます。特に3年次は1年を通して領域別実習を行います。各領域での看護専門職の役割を理解し、関連職種との連携・協働するための基礎能力を培います。3年次で領域別実習をすべて経験することで、4年次から始まる看護研究に集中できる環境を整えます。
領域別実習スケジュール例(2020年10月〜12月)
※スケジュールは一例です。学生、年度によって異なります。


看護学部 看護学科 4回生
京都府・宮津高等学校 出身
三田 香
カリキュラムの方向性
- 基礎科目
あらゆる場、状況において看護を必要とする人々を「患者」というステレオタイプの見方でなく、身体、心と社会的総合体および‘その人の人生’という時間軸をもって生きる人間として理解する能力を培います。
- 専門基礎科目
保健師助産師看護師法や地域包括ケアシステムなど、看護職を取り巻く環境について学び、専門職者として看護職が抱える課題を理解し課題解決について思考する能力を養います。
- 専門科目
3年次の臨地経験をもとに意味づけや理論との統合を図り、専門職者として自己のキャリア開発に関する認識を高めつつ、生涯にわたって自己研鑽していく能力と主体性、看護職者としての専門性の開発と職業人への接続、移行を図ります。
- 研究科目
看護における研究の必要性や価値、研究計画の立て方、研究方法について学び、研究課題を抽出し、研究に取り組みます。専門職として自発的な能力開発の継続や、看護の向上に資する研究能力の基礎を培います。

卒業研究(看護研究)
本学では3年次の後期から看護研究の必要性とその進め方について学びます。4年次からは「課題探求実習(前期)」・「課題探求Ⅱ(通年)」といった授業科目を通して、本格的な看護研究に取り組みます。
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- 課題探求Ⅰ(3年次後期)
- 看護における研究の必要性とその進め方について理解を深めるとともに、研究課題に取り組むための基礎能力を養います。研究倫理・看護研究の方法と進め方・研究計画書の意義と書き方について学び4年次からの研究活動に備えます。
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- 課題探求実習(4年次前期)
- 少子高齢多死社会を迎えた日本の医療と看護における現状の課題について理解を深めます。また、3回生の領域別看護学実習および課題探求Ⅰと結合させて考察し、興味・関心のある看護分野において看護のニーズ・課題を抽出して自らの研究課題として設定し、卒業研究へとつなげます。
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- 課題探求Ⅱ(4年次通年)
- 課題探求実習で設定した研究課題を受けて、ゼミ形式の授業を行い、文献検討・研究計画の立案・実施・考察・論文作成、発表の一連のプロセスを実際に経験することで、看護研究遂行の基礎能力を培います。
課題探求Ⅱ個人別テーマ(2020年度例)
- 【基礎看護学】ベッド周囲の環境とボディメカニクス活用の実態
- 【開発看護論】遠隔医療の普及と看護の専門性の発揮に関する認識
- 【在宅支援論】訪問看護師による在宅療養高齢がん患者への意思決定の支援方法
- 【高齢者支援論】病棟看護師の経験年数と退院に向けた認知症患者の家族へのアセスメントの実施状況の関連
- 【母性看護学】新型コロナウイルスによる感染拡大に伴う新しい生活様式が妊婦に与える影響:
経産婦へのインタビューを通して - 【小児看護学】重症心身障害児(者)の意思表示や想いの表出を促すためのコミュニケーション方法
- 【急性期・周術期看護論】術後患者が求める退院に向けての看護援助の実際
- 【生活行動回復看護論】回復期における失語症患者の障害受容に対する看護師の理解
- 【慢性期・終末期看護論】療養生活上で生じる身体的・心理的・社会的変化とセルフマネジメントの実態
- 【精神看護学】不安を感じている統合失調患者への「そばにいること」の効果


看護学部 看護学科 4期生
京都府・山城高等学校 出身
京都大学医学部附属病院 就職
修家 未来

※カリキュラムは教育的配慮のもと、変更となる場合がございます。
基礎ゼミ1&2
「基礎ゼミ1」「基礎ゼミ2」の授業は少人数ゼミ形式で行われます。「基礎ゼミ1」は、新入生が大学教育に円滑に適応し、能動的・主体的に学修を進めていく姿勢を身につけることを目的としています。マナー講座やレポートの書き方など、「大学生としての学び方」を学修し、高校までの授業や学習とはどのように違うのか、授業に取り組むにはどのようにすればよいのかなどについて、学生自身が調べ、考え、話し合い、まとめ、表現できることを目指します。
「基礎ゼミ2」では、「基礎ゼミ1」で培った力を発展させ、科学的、学問的に考えていくことの魅力を発見することを目的としています。学生一人一人が興味を持つことを研究テーマに設定し、ゼミでの発表と討論によって考察を深め、最後にプレゼンテーションを行って、レポートを提出します。